二輪噺アーカイブ

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ホットスターター

   

キャブのバイクの中には、熱くなり過ぎるとエンジンが再始動しなくなる場合が有る。

キャブやエンジン自体の不具合以外で挙げられる原因として、キャブのパーコレーションが考えられる。
つまりキャブの温度が上昇してフロートチャンバー内で燃料の気化や膨張が起こった事により、インレットパイプ~の混合気が非常にリッチな状況と成る現象。

冷間時はリッチ傾向の方がエンジンは掛り易いが、エンジンがヒートしてる時には逆に掛りにくく成る。
エンジンが熱い時にチョーク(スターター)を引いてやれば、それが実感出来るだろう。
どの場合においても、適正な混合比が有るのだ。

 

エンジンやキャブ自体に問題が無いとの前提で、取れる対策としてはホットスターターの追加が挙げられる。

過去にはまだキャブだった時代の4stモトクロッサーには良く付けられていたパーツ。
これは4stモトクロッサーがFCRだった当初(YZ400F)のパーツ。
ホースを伸ばして後付けする。

 

その後、FCR-MXが一般的と成った頃にはキャブ自体にホットスターター経路が組み込まれるように成った。

黒いノブが所謂チョーク(スターター)
赤いノブがホットスターター。
このようにキャブ本体に付く場合と、ケーブルを介してフレーム等にマウントされる場合とが有るが、FCR-MXのホットスーターの構造はどの場合も全く同じ。

このノブを引くと空気の導入経路が開かれるので、それにより混合気が薄まりホットスタート時にエンジンが掛かりやすく成る。
ただ別に空気取り入れバルブを作るか、或いはキャブ自体にその経路を組み込むかの違いだけで、作動原理自体は変わりは無い。

普通のCVキャブで有っても、他に不具合は無いけれどもホットスタート時に掛かり難い傾向バイクには、このホットスターターを組めば効果は望めるだろう。
他に何かしらの問題が無いのならば。

 

インテークパイプ(キャブとヘッドとの間)に、負圧の取り出しニップルの付いてるバイクならば、そこにチューブを繋いで何かしらのバルブを付けてやるのが一番手っ取り早い。

これは、エアブラシに使われるポリウレタンチューブと、水槽用エアポンプのバルブとを組み合わせた物。
キャブ付近からハンドルの周りまでホースを伸ばすので、負圧による変形を起こさない硬質チューブの方が精神的にも良いかと思う。
別にゴムチューブが脈動しても大した影響は無いだろうが、カッチリしたチューブの方が何となく安心感は有る。

インレットパイプには差し込めないので、適当な径のゴムチューブで接続する。

 

ハンドルにまで伸ばせば使い易い。

ホットスタート時にエンジンが掛らない場合は、このバルブを開いてエアの吸入量を増やしてやれば掛かりやすく成る。
エンデューロ等で、エンジン再始動に苦労した経験が有るなら、ご検討頂くのも悪く無いかと思う。
ただし、不要な二次エアを吸入するリスクは高まるので、オーバーヒートしてても普通にエンジンが掛るバイクの方は、別に気にする必要は無い。
逆に余計な物は付けない方が良いだろう。

なお、通常は夏のエンデューロ等の過酷な状況でしか必要は無いと思う。
通常時においてもホットスーターが必要ならば、きっと何かしらの故障を抱えてるので、そっちを直すのが先決なのは言うまでも無い。

 





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